SSブログ

砂のお城の王女たち [赤川次郎]

すでに出てる物質から、核分裂起こってる状態ですね・・・
正直この問題を収束させるには、もう政治決断を
するしかないんじゃないだろうか・・・ひどい言い方ですが、
そこは政治が責任を取るしかない。

本書はもともと新潮文庫で1988年に刊行された短編集。
しかし、そんな古さを全く感じさせない、非常に先見性のある、
というかまさに現在を予想したかのような短編集だと思います。

特に最後の「真夜中の子供たち」は非常に強烈。
現在でも普通に起こりそうな話です。
これを1980年代後半という時代に書いた、赤川さんは
すごいとしか言いようがない。

無邪気さの中に潜む邪悪を描いた「僕らの英雄」も傑作。
ラストは結局どうなったのか、余韻を残す終わり方もまたいいですね。

「神童」や「ゲームはおしまい」は非常に清々しく読めました。
神童は親バカというか、子どもへの過度な期待をする親たちへの
誡めのような作品。

表題作は中間的な作品(?)
ダークな面もありつつ、子どもならではの面もあるという、
そういう中間です(苦笑)

いや、本当にこれらの作品が1980年代とは・・・すごいですね。


砂のお城の王女たち (集英社文庫)

砂のお城の王女たち (集英社文庫)

  • 作者: 赤川 次郎
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2011/03/18
  • メディア: 文庫



nice!(3)  コメント(6)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 3

コメント 6

コースケ

ブロガーおじさん様、nice!ありがとうございます!
by コースケ (2011-03-28 11:19) 

翠香

こんばんは。
表紙は可愛らしいけれど、ダークな作品群なのですね。
赤川作品は三毛猫ホームズ等コミカルな作品を中心に読んできたので、ちょっと新鮮かも。
まあもともとホラーやオカルトっぽい作品は多かったのですけどね(^^;)

それから前回レビューの『パラダイス・クローズド』も書店で見かけて気になっています。
(ネタバレありということなので、記事は読んでいないのですが・・・)
まだ読んだことのない作家さんなので、なかなか手が出しにくかったのですが、ラノベっぽい感じなのでしょうか?
by 翠香 (2011-03-29 00:29) 

コースケ

翠香様、コメントありがとうございます。
これは赤川さんのなかではかなりダークですよ~
コミカルなイメージやユーモア・ミステリといった
作風がどうしても印象に強いですけど、
結構ダークな作品も多いですよね。
ハッピーエンドで終わらない作品もかなりありますしね。
でもこれは赤川さんが小学生を主人公として、
そのダークさを描いたところが意外で、
内容が現代に通じているというのがすごかったです。

パラダイスド・クローズドはラノベっぽい雰囲気は
相当あります。これで表紙がそういう絵だったら
間違いなく勘違いしそう(苦笑
内容は本格ミステリです。
なにせ孤島、とざされた館、密室とその要素が
これでもかと詰め込まれてますし(笑

後は作者さんの趣味が文章中の蘊蓄として
とても多くでてきます。
これは僕は飛ばしました(苦笑
僕は最初はどうしようか悩みましたが、
なかなか楽しめました。

by コースケ (2011-03-29 22:43) 

コースケ

のりたま様、nice!ありがとうございます!
by コースケ (2011-03-31 20:39) 

月夜のうずのしゅげ

吸血鬼物は読みましたが、砂のお城の王女たちはまだなので読んでみます。
by 月夜のうずのしゅげ (2011-04-02 09:30) 

コースケ

月夜のうずのしゅげ様、nice!&コメントありがとうございます。
集英社文庫にはシリーズ外の短編集が結構出てます。
他社から出た文庫の再販だったりもしますが、
どれもおもしろいと思いますので、
ぜひ手にとって見て下さい。



by コースケ (2011-04-02 13:46) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0