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誇り高き週末 [赤川次郎]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

莫大な財産を持つ柳原一馬、七十歳。四十年前に妻と死別して以来独身で子供もいない彼が、
突然再婚を発表する。しかもお相手は二十八歳!
それぞれの事情から彼の財産を狙っている親族たちは、
複雑な思いで週末に行われる花嫁披露パーティのため山荘に赴くが、
そこに前妻の幽霊が現れて……!? 表題作ほか、
妻の殺害を計画する夫、社内の盗聴が趣味の社長の「週末」を描く2作品を収録。

久しぶりの更新となってしまいました。

このところ、読書ではなく、「メトロイドドレッド」と「大逆転裁判」をしていて、
いや、これが面白いのです。


本書も復刊です。集英社文庫さんも徳間文庫さんに負けず劣らず復刊してくれて、
有り難いことです。

本来、平日仕事で、土日休みという形態の職種ならば、週末はうれしいものですが、
本書所収3編の主人公にとって、それは覚悟、恐怖、憂鬱と、うれしいとはかけ離れた
感情ばかりでした。

表題作は、所収作では実は変化球作品。主人公が「女を落とす」職業の武藤と、
柳原の前妻である早苗、といっても彼女は幽霊ですが。
この話、年の差婚から財産を巡るドロドロ話なのですが、職業はあまり良いとは思えない
武藤が相当な好人物なのが印象的です。
もしかしたら、早苗の幽霊をみたから変化があったのかもしれません。
しかし、早苗をみることが出来たというところも、ある意味その性格を現しているのかも。

夫であった柳原には全くその姿は見えず、さらに武藤初め誰も説明しないというのは、
優しさの表れでもあるのでしょうし、武藤とすれば、早苗との約束なのかもしれません。

さて「雨の週末」と「疑惑の週末」の2編は、殺す・殺されると立場がまるで違うにも
関わらず、どこか主人公に共通点があるんですよね。
ただし、水沼はもう少し罰を受けても良いよなあ。社員の松尾さんが引き立てるのは
素晴らしいことで、話としては、そこくらいしか実は救いがない話なのです。
俊子は恋人を殺され、洋子は殺害されそうになるも、その計画は知らず。
多田克代に至っては早々に殺害されて退場しますし。
しかし、ラストだけ読むと、非常に上手く物語がまとめられていてそこがいいです。
山崎課長の落胆ぶりも溜飲が下がりますね。


「疑惑の週末」は、盗聴器を会社や自宅に仕掛けた越谷が変わる物語。
「自分自身のやましさを。あの「声」に映していただけにすぎない」ことに気付いた
彼は、良き経営者、良き父親になっていくのだろうと(期待したい)。

ゲームの秋も読書の秋も楽しみます。


誇り高き週末 (集英社文庫)

誇り高き週末 (集英社文庫)

  • 作者: 赤川 次郎
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2021/09/17
  • メディア: 文庫







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コメント 7

コースケ

サイトー様、nice!ありがとうございます!
by コースケ (2021-10-27 17:43) 

コースケ

@ミック様、nice!ありがとうございます!
by コースケ (2021-10-27 17:44) 

コースケ

xml_xslさま、nice!ありがとうございますm(_ _)m
by コースケ (2021-10-27 17:44) 

コースケ

yamさま、nice!ありがとうございますm(_ _)m
by コースケ (2021-10-27 17:44) 

コースケ

31さま、nice!ありがとうございます!
by コースケ (2021-10-27 17:44) 

コースケ

鉄腕原子様、nice!ありがとうございます!
by コースケ (2021-10-27 17:44) 

コースケ

ネオ・アッキー様、nice!ありがとうございます!
by コースケ (2021-11-03 19:38) 

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