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私たちが星座を盗んだ理由 [北山猛邦]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

優しく、美しく、甘やかな世界が、ラストの数行で、残酷に崩壊する快感。
景色が反転し、足元が揺らぎ、別な宇宙に放り出されたかのような、痛みを伴う衝撃。
かつて、まだ私たちが世界に馴染んでいなかった頃の、無垢な感情を立ち上がらせてくれる、
ファンタジックな短編集。ミステリの醍醐味、ここにあり!


『千年図書館』を読了し、その後すぐに購入し、早速読了しました。
以下、ややネタバレ。




もの悲しさと、主人公たち三者三様、彼彼女たちのすれ違いから生まれた
表題作は、なんともやりきれませんね。

「恋煩い」は誰が恋煩いなのか、で物語が反転する見事な作品。
一見して都市伝説や噂を、恋は盲目状態のアキが信じて起こしてしまう出来事ですが、
シュンの推理で一気に違う景色になるという、構成が秀逸。

「終の童話」は、ラストをどう考えるのか?によりますが、
「女か虎か」のリドルストーリーなのかもしれません。この文章だけで判断できないのでは。

しかし、なぜ石像化した人々が壊されるのか?という謎は、予期せぬものでした。
ただ、善意から来るものとはいえ、何度も経験しているのだから、
先に状態を確認すれば良いのではないかと思いますが、それは言ってはいけないのかなあ。

「妖精の学校」は『さかさま少女』所収の「千年図書館」にあたる作品。
しかし、前作より謎は複雑かつ、ネタバレを読むとさらに暗澹たる気分になります。

これは「千年図書館」と違い、リアルタイムの話に近い内容。
子どもたちがどこからつれてこられるのか、これが一番怖いですが、
確実に国家ぐるみの計画なんでしょうね・・・

そして、大人になった時、彼彼女たちにはどういう事が待ち受けているのか、
それも気になりました。

「嘘つき紳士」はどんでん返しな作品。これもラストは驚き。
そして、殺人が明確に登場するミステリでもあります。

いや、どれも完成度が極めて高いです。本作及び『さかさま少女』、未読の方は
ぜひ読んで下さい。


私たちが星座を盗んだ理由 (講談社文庫)

私たちが星座を盗んだ理由 (講談社文庫)

  • 作者: 北山猛邦
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2014/06/13
  • メディア: Kindle版







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コメント 6

コースケ

鉄腕原子様、nice!ありがとうございます!
by コースケ (2021-10-27 17:42) 

コースケ

xml_xslさま、nice!ありがとうございます!
by コースケ (2021-10-27 17:43) 

コースケ

@ミック様、nice!ありがとうございます!
by コースケ (2021-10-27 17:43) 

コースケ

サイトー様、nice!ありがとうございますm(_ _)m
by コースケ (2021-10-27 17:44) 

コースケ

31様、nice!ありがとうございますm(_ _)m
by コースケ (2021-10-27 17:44) 

コースケ

ネオ・アッキー様、nice!ありがとうございますm(_ _)m
by コースケ (2021-11-03 19:38) 

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