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素敵な日本人 [東野圭吾]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

一人娘の結婚を案じる父に、娘は雛人形を指差して大丈夫という。
そこには亡き妻の秘密が……。(「今夜は一人で雛祭り」) 独身女性のエリーが
疑似子育て体験用赤ちゃんロボットを借りたところ……。(「レンタルベビー」)
世にも珍しい青色の猫。多くの人間が繁殖を目論むが……。(「サファイアの奇跡」)
日本人に馴染み深い四季折々の行事を題材にした4編と、異色のミステリ5編を収録!

以下、ややネタバレあり。








東野圭吾さんの作品は『恋のゴンドラ』以来なので、久しぶりといえば久しぶりなのですが、
ここ数年はノンシリーズ長編が多かった印象もあり(そちらはほとんど未読)、
短編集しかなんとなく購入しなくなったような感じになってますね。
もっともガリレオシリーズは継続して読んでいるので、こちらは楽しみなのですが。

「レンタルベビー」は、現在の世の中にも取り組んでいい政策だと思います。
虐待のニュースが日々変わらず流れる中、こんなことができればそうした悲しい
ニュースも減るのかなあと。
しかし、本作は最後であっと驚かせる手法で、もしかしたら遠くない未来に、
平均寿命が100歳以上ということもあるのかも(笑
そんなに生きたくないような気もしますが。

ミステリ色が強いのは「十年目のバレンタインデー」
津田知理子の、犯人の追い詰め方が素晴らしい。男性なら引っかかります。
彼女の執念の捜査が実った結果です。

そしてもう一編が「壊れた時計」。
計画殺人でも、完全犯罪でもないですが、人間とっさの時は思考が中々上手くいかないもの。
時計の時刻があまりにも偶然だったのが、犯人にとって最悪の偶然でした。
しかし、この犯人、いくら唐突であっとしても、顔を見られるような行為を平然と
するのが抜けすぎてますね。

「クリスマスミステリ」は逆完全犯罪とでもいうのでしょうか。
黒須が本当の事を話せば殺人未遂、そのまま黙秘すれば殺人罪。
どちらにせよ、役者生命は絶たれるし、彼はどちらを選択したのか・・・

「サファイアの奇跡」と「水晶の数珠」はほっこりする物語。
前者は未玖とイナリの再会が良いですねえ。

時折こうした短編集、ぜひお願いします。
いや、まずは「○○小説」の続編を!



素敵な日本人 (光文社文庫)

素敵な日本人 (光文社文庫)

  • 作者: 東野 圭吾
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2020/04/14
  • メディア: 文庫



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