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ぼくの「このミス」2019 [ミステリ]

今年2019年もついに最後を迎えました。
というわけで、今年読んだミステリで、私の「このミス」を

芦沢央『許されようとは思えません』
『今だけのあの子』もそうなのですが、芦沢先生の作品は短編が極上な気がします。
イヤミスと一言ではとても言い切れない、深い趣向の作品集です。


許されようとは思いません (新潮文庫)

許されようとは思いません (新潮文庫)

  • 作者: 芦沢 央
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2019/05/29
  • メディア: 文庫



許されようとは思いません(新潮文庫)

許されようとは思いません(新潮文庫)

  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2019/06/01
  • メディア: Kindle版



我孫子武丸『裁く眼』
ひさしぶりの我孫子先生。
タイトルがまさに本書の内容を表しているというのは、実は中々ありません。
しかし、続編が出てほしいのですが、これまた中々難しいのかなあ・・・
あ、人形シリーズや速見三兄妹シリーズでも大丈夫です!(笑


裁く眼 (文春文庫)

裁く眼 (文春文庫)

  • 作者: 我孫子 武丸
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2019/06/06
  • メディア: 文庫



裁く眼 (文春文庫)

裁く眼 (文春文庫)

  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2019/06/06
  • メディア: Kindle版



有栖川有栖『狩人の悪夢』
これはもう語るまでもない作品。派手さはありません。
しかし、とことんロジックで読ませるミステリは、有栖川有栖先生をおいて
他にいないのではないでしょうか。
火村&作家アリスは毎年に近いくらい刊行があってうれしいのですが、
ソラシリーズもそろそろお願いします。


狩人の悪夢 (角川文庫)

狩人の悪夢 (角川文庫)

  • 作者: 有栖川 有栖
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2019/06/14
  • メディア: 文庫



狩人の悪夢 「火村英生」シリーズ (角川文庫)

狩人の悪夢 「火村英生」シリーズ (角川文庫)

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2019/06/14
  • メディア: Kindle版




というわけで、来年も良いミステリに出会えることを祈りつつ、
皆様、よいお年をお迎えください。
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不穏な眠り [若竹七海]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

葉村の働く書店で“鉄道ミステリフェア”の目玉として借りた弾痕のあるABC時刻表が盗難にあう。
行方を追ううちに思わぬ展開に(「逃げだした時刻表」)。相続で引き継いだ家にいつのまにか居座り、
死んだ女の知人を捜してほしいという依頼を受ける(「不穏な眠り」)。
満身創痍のタフで不運な女探偵・葉村晶シリーズ。


以下、ややネタバレ。
葉村晶、久しぶりの短編集です。






ABC殺人事件という古典的傑作を取り入れた、まさにミステリ書店ならではの事件として
「逃げ出した時刻表」はオススメ。
その内容も二転三転しつつも、飾られたABC時刻表(鉄道案内)そのものが実は・・・
という所が面白かったです。

最初の「水沫隠れの日々」は葉村も確かに不幸な目に遭うのですが、
それ以上に依頼人と遙香の方がより不幸な作品。
葉村の推理は当たってはいたのですが、時すでに遅し。

表題作はあともう少しで本当に葉村が死ぬところで、社会問題になってひさしい
ニュータウン・欠陥住宅、さらには老人ホームと、多岐に問題がまつわる調査です。

原田宏香と八千代、この2人の女性は本当に恐ろしい。
ぞくっとする、ホラーに近い感覚を読後に味わいました。

さて年内はあと1日。明日はもうどうでもよい恒例の記事を書く予定です。


不穏な眠り (文春文庫)

不穏な眠り (文春文庫)

  • 作者: 若竹 七海
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2019/12/05
  • メディア: 文庫



不穏な眠り (文春文庫)

不穏な眠り (文春文庫)

  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2019/12/05
  • メディア: Kindle版



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皇帝と拳銃と [倉知淳]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

教えてくれないか。いつから私は疑われていたのだね
警部から逃れられる殺人者は存在しない。〈刑事コロンボ〉の衣鉢を継ぐ警察官探偵、登場。

私の誇りを傷つけるなど、万死に値する愚挙である。絶対に許してはいけない。
学内で“皇帝"と称される稲見主任教授は、来年に副学長選挙を控え、
恐喝者の排除を決意し実行に移す。犯行計画は完璧なはずだった。そう確信していた。
あの男が現れるまでは。全四編を収録した、著者初の倒叙ミステリ・シリーズ、待望の文庫化。
〈刑事コロンボ〉〈古畑任三郎〉の衣鉢を継ぐ警察官が、またひとり誕生する。


以下、ややネタバレ。






刑事コロンボ、古畑任三郎、野呂盆六、福家警部補、彼彼女らに続く倒叙ミステリの
名探偵が登場です。
しかも、作者は猫丸先輩の倉知淳先生。

表題作が一番の出色です。倒叙ミステリとしても、乙姫警部の推理としても。
コロンボ「二枚のドガの絵」に構図としては近い受けました。
それはまあ証拠が同じだからなのでしょうね。

最初の「運命の銀輪」は、容疑者伊庭の最後のあがきが、実は状況証拠ばかりで、
決定的な物的証拠がないことを物語っています。
まあ、これは愚考でしかないのですが、やはり倒叙ミステリ最初の作品は、
犯人を徐々に徐々に追い詰めていく、そして最後の一撃を加えるというのが
良かったなあと。
鈴木刑事の反論も、確かにその通りなのですが、果たして追い詰められるかどうか・・・

「恋人たちの汀」は、最後の一撃はかなり見事なのですが、
このアリバイ工作は危なすぎるよなあ。

「吊られた男と語らぬ女」は、ラストに相応しい作品です。
相内伽也のコンプレックス(何らかの病気?)をも見通した乙姫警部が、
彼女に語る言葉に心打たれます。

さて、本シリーズはこの後も続いていくんでしょうか。
「このミス」「本格ミステリ・ベスト10」いずれでも倉知さんはこの続編には触れていない
ため、すぐには出なそうですが、乙姫警部の活躍をこの1冊だけではちょっともったいない。
ぜひ続編をお願いします。





皇帝と拳銃と (創元推理文庫)

皇帝と拳銃と (創元推理文庫)

  • 作者: 倉知 淳
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2019/11/11
  • メディア: 文庫



皇帝と拳銃と (創元推理文庫)

皇帝と拳銃と (創元推理文庫)

  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2019/11/15
  • メディア: Kindle版



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帰ってきた腕貫探偵 [西澤保彦]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

街角に突如現れる「櫃洗市一般苦情係」の職員、通称・腕貫探偵。
その日彼のもとにやって来たのは一週間ほど前に亡くなったという女性の霊。
彼女はベストセラー作家・越沼霞巳と名乗るが、その作家は50年前に亡くなっているはずだ。
ならば50年前に死んだのは、いったい誰だったのか―?大人気・腕貫探偵シリーズ最新刊、
待望の文庫化。

以下、ややネタバレ。






お帰りなさい、腕貫さん。
余りにも久しぶりですが、腕貫さんの風貌はしっかり覚えてましたが、
レギュラーキャラクターは氷見刑事以外忘れていました(笑
住吉ユリエ、どんなキャラだったっけという感じで、大変失礼しました。

「指輪もの騙り」のみ、ユリエの名推理が光り、腕貫さんは登場しません。
ただ、この事件もかなり複雑で、「なぜわざわざ指輪を取りに戻ったのか?」という
謎から、加害者(犯人)・被害者・共犯者、これらが違う意味で入り乱れており、
快作です。

私の一番のオススメは「氷結のメロディ」。
事件そのものは、実のところそこまで複雑ではありません。
しかし、鳥遊葵の語る話からは不可思議で、恐ろしく、一体この謎を
腕貫さんはどう合理的な説明を付けるのか、その謎解きが素晴らしいのです。
改めて、このシリーズの面白さを再認識しました。

「追憶」はなんと幽霊からの相談を受けるという設定ですが、
この幽霊という設定が、事件の謎を解く大きな鍵となっていて、
単なる幽霊の登場や、死者からも相談を受ける腕貫という、最初の驚きを
与えるだけでないところがおおきなポイント。

すでに次巻も刊行されているようで、こちらも文庫化が楽しみです。


帰ってきた腕貫探偵 (実業之日本社文庫)

帰ってきた腕貫探偵 (実業之日本社文庫)

  • 作者: 西澤 保彦
  • 出版社/メーカー: 実業之日本社
  • 発売日: 2019/12/05
  • メディア: 文庫



帰ってきた腕貫探偵 (実業之日本社文庫)

帰ってきた腕貫探偵 (実業之日本社文庫)

  • 出版社/メーカー: 実業之日本社
  • 発売日: 2019/12/05
  • メディア: Kindle版



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斜め屋敷の犯罪 [島田荘司]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

北海道の最北端・宗谷岬に傾いて建つ館――通称「斜め屋敷」。雪降る聖夜にこの奇妙な館で
パーティが開かれたが、翌日、密室状態の部屋で招待客の死体が発見された。
人々が恐慌を来す中、さらに続く惨劇。御手洗潔は謎をどう解くのか!?
本ミステリー界を変えた傑作が、大幅加筆の改訂完全版となって登場!解説=綾辻行人

毎年クリスマス・イブにはそれにちなんだミステリを書いていますが、
海外ミステリは意外と多いのですが、日本では中々見つからない・・・

色々と思い返してみると、なんとこの『占星術』と並び、本格ミステリの金字塔的作品も
聖夜に事件が起こるという、クリスマスミステリなのです。

この作品は、あのトリックのためだけの「斜め屋敷」というのが難点ではないかと
言われる場合もありますが、
いくつもの不可思議な事柄が、御手洗の推理で一気に収束していく推理は
見事というほかありません。

クリスマス・イヴの今夜、読んでみてはいかがでしょうか。


改訂完全版 斜め屋敷の犯罪 (講談社文庫)

改訂完全版 斜め屋敷の犯罪 (講談社文庫)

  • 作者: 島田 荘司
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2016/01/15
  • メディア: 文庫



改訂完全版 斜め屋敷の犯罪 (講談社文庫)

改訂完全版 斜め屋敷の犯罪 (講談社文庫)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2016/01/15
  • メディア: Kindle版



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人間消失殺人事件 [赤川次郎]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

校二年の南尾小百合は、ある日、通学途中にバスを乗り過し、終点の小さな町に降り立つ。
しかし、そこで一人の男性に出会った後、行方不明になってしまい―(表題作)。
どこへでも突然現れる、警視庁捜査一課の名物男・大貫警部が、今日も事件の現場に居合わせる。
謎あり笑いありの大人気シリーズ最新刊!

このシリーズも長寿ですが、赤川さんの心境の変化とでもいうのか、
シリーズを重ねるごとに、大貫警部の存在が少しずつ変わってきている気もします。

相変わらず次々と逮捕したりしてますが、意外と人情味あふれる所を
表題作では見せています。「ナイフが勝手に刺さった」というまさに大貫理論(笑
しかも、ここ数作品に見られるのは、マスコミを実にうまく使っているんですよねえ。
むろん最初の「東西南北」でも自らの突飛押しも無い推理を雑誌に話したりしてますが、
マスコミの嫌な部分を逆手に取っている印象です。

「上昇志向殺人事件」は現在の「IT長者」を皮肉った作品。
大貫警部の「刑務所では一番上の階に入れてもらうよう頼むんだな」という台詞は
皮肉が効きまくっています。

よくよくシリーズを見てみると、大金持ちだろうが、国会議員だろうが、自分の思ったことは
必ずやり遂げる取るという、忖度など一切しない、ある意味警察官の鑑のような気もします(笑
でも、思いついたことが人間離れしている事も多々ありますね。

本書で全編にわたって描かれているのは、母と子の関係かなと思いました。
警部の、あくまでも偶然の行動で、両者の絆が深くなるというのもまたおもしろい。

しかし、警部にはもっと強権を振るってもらいたい時もあり、
そんな作品もまた読みたいですね。


人間消失殺人事件 (講談社文庫)

人間消失殺人事件 (講談社文庫)

  • 作者: 赤川 次郎
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2019/10/16
  • メディア: 文庫



人間消失殺人事件 四文字熟語 (講談社文庫)

人間消失殺人事件 四文字熟語 (講談社文庫)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2019/10/16
  • メディア: Kindle版



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フォークロアの鍵 [川瀬七緖]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

羽野千夏は、民俗学の「口頭伝承」を研究する大学生。“消えない記憶”に興味を持ち、
認知症グループホーム「風の里」を訪れた。出迎えたのは、「色武者」や「電波塔」などと
あだ名される、ひと癖もふた癖もある老人たち。なかでも「くノ一」と呼ばれる老女・ルリ子は、
夕方になるとホームから脱走を図る強者。ほとんど会話が成り立たないはずの彼女が発した
「おろんくち」という言葉に、千夏は妙な引っ掛かりを覚える。
記憶の森に潜り込む千夏と相棒の大地。二人を待っていたものは……!


以下、ややネタバレ。



ぼかしてはあるものの、羽野千夏の共同研究員というのは、千葉県佐倉市に
ある国立歴史民俗博物館に違いない(笑)とどうでもいいことは置いておいて・・・

「口頭伝承」というのは、オーラルヒストリーとはまた違うのかもしれませんが、
彼女が老人たちから話を聞き、それを絵という方法で具現化したことが、
老人たちのあるトリガーを引いたのは間違いありません。
そしてそれがきっかけで、「風の里」の老人たちとコミュニケーションを重ねることができ、
物語序盤とは大きく違う、活き活きと描かれている老人たち。
むろん作者もわかっているとは思いますが、現実はそう簡単にいくものではないよなあと、
こうあってくれれば良いと思いつつ、現実は甘くない、そう感じる物語でした。
筆者が相当に参考にされた、六車由美さんの『驚きの介護民俗学』は読んでみたくなりました。

さて、民俗学+介護の話ではなく、本書ミステリの部分である「おろんくち」とは何なのか。
この謎に目的を見失い、親を殺そうと考えていた高校生・立原大地とともに解明に
挑むのですが・・・
「おろんくち」の先にある、現実に起きている悲惨な事件が無事解決したことはともかく、
肝心の「おろんくち」の謎は解明できていないままなのが心残り。
千夏は口減らしという説を出しますが、そうだとすると、そんなところを逢い引きの
場所に選ぶというのもおかしいし、そもそも大量の歯は何なのか。
どうもしっくりこないんですよね。

ラストが大団円的な終わり方になっているだけに、肝心要の民俗学ミステリの部分が
消化不良が残念。


フォークロアの鍵 (講談社文庫)

フォークロアの鍵 (講談社文庫)

  • 作者: 川瀬 七緒
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2019/10/16
  • メディア: 文庫



フォークロアの鍵 (講談社文庫)

フォークロアの鍵 (講談社文庫)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2019/10/16
  • メディア: Kindle版



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このミステリーがすごい!2020年版 [ミステリ]

『本格ミステリ・ベスト10』に続く、年末の定番。

「このミス」第1位の「屍人荘の殺人」映画公開直前ということで、
そちらの特集にやたらとページを割いている印象。

白石さんのインタビューとかもそこまで割かなくてもなあ・・・という。
紙面構成をもっとまじめに考えてくれ。

ただし、そんな中でも本書が買いなのは、レジェンド対談と題された
皆川博子先生と辻真先先生のまさにレジェンド対談が掲載されているところ。
これは必読で、ものすごく楽しめました。

辻先生のご尊顔、初めて見ました。東京創元社は<ポテト&スーパー>シリーズを
全て文庫化発売してくれ!いつまで待たせるんだ!!

皆川先生が少し体力が落ちてきて、もう次が最後というような事をお話されていた
のが、少し寂しく感じましたね。もちろん御両者ともこの御年齢で
ミステリーをご執筆されているのはすごいことなのですが・・・寂しいことです。

しかし、相変わらず『本格ミステリ・ベスト10』とランキングが違って面白いですね。
一方で、私の隠し玉は、『本格ミステリ』の近況報告と重なるので、なんとかならんものか。

出版社の海外ミステリ隠し玉は良いのですけどね。

それにしても今年は新進気鋭、新世代の作家さんたちが活躍された1年という気がしますね。
来年も面白いミステリをどうかよろしくお願いします。



このミステリーがすごい! 2020年版

このミステリーがすごい! 2020年版

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2019/12/11
  • メディア: 単行本



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2020本格ミステリ・ベスト10 [ミステリ]

今年も発売の時期がきましたねえ。

本書を読めばわかるのですが、改めて(笑)書いてみます。

有栖川有栖さん、法月綸太郎さん、そして島田荘司さんと
御大と、そして新本格第1世代、第2世代の新作が出たのはやはり大きい。
我孫子武丸さんも「監禁探偵」が出ましたしね。
綾辻さんにも頑張ってほしいです。館シリーズもぜひ!

私にとっては、新鋭作家さん、これまでほとんど未読の方々がランキング上位を
占めたという印象。
ついに時代が動いてきたか?なんて思ってしまいました。

ただ30位には、上記お三方だけでなく、平石貴樹さんや辻真先御大
さらには若竹七海さん、柄刀一さんなど大ベテラン、米澤穂信さんや深水黎一郎さんなど
常連組も居て、まだまだ時代は変わらせないぞという(笑)

近況をみてうれしいのは、倉知淳さんの猫丸先輩新作の情報。
ちなみに今は文庫化した『皇帝と拳銃と』を読んでいます。

本格ミステリ作家クラブ会長である東川篤哉さんには、ぜひ烏賊川市シリーズの
続編を望みます。有栖川さんにはソラシリーズ最新作をぜひ。

自分の希望を書いて終わってしまいましたが、次は「このミス」でもまた記事を
書きます。


2020本格ミステリ・ベスト10

2020本格ミステリ・ベスト10

  • 作者: 探偵小説研究会
  • 出版社/メーカー: 原書房
  • 発売日: 2019/12/05
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



medium 霊媒探偵城塚翡翠

medium 霊媒探偵城塚翡翠

  • 作者: 相沢 沙呼
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2019/09/12
  • メディア: 単行本



medium 霊媒探偵城塚翡翠

medium 霊媒探偵城塚翡翠

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2019/09/12
  • メディア: Kindle版



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目ざめれば、真夜中 [赤川次郎]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

ビルに立てこもった殺人犯に指名され、仕事中にもかかわらず刑事に連れられてきた真美。
建物の中に入ると、そこには高校の同級生だった白木が婚約者の悠子を人質にとっていた。
しかし、事件の真相が明かされる前に、白木は警察に射殺されてしまった。不審に思った真美は、
事件の調査に動き出すが、行く先々で妨害工作に遭う。
さらにプライベートでも仕事でも問題が発生する。
人間関係の綾が織りなすサスペンス・ミステリ。

とにかく女性陣が強い。とくに射殺された白木の母親である
幸江の行動力はすごいものがあります。

そして、主人公たちである、矢田部真美、広田悠子、宮坂初枝、彼女たちは
私生活でもそれぞれ問題を抱えながらも、白木が射殺された事件に端を発する
大きな大きな事件に果敢にぶつかっていきます。

本作は女性たちの活躍だけでなく、意外なところで心境が変化して良い上司になる
須田課長など、ところどころでユーモア・ミステリを感じるところもありますが、
やはり社会派、より現実的な、赤川次郎先生からの、現実社会への警鐘小説なのでしょう。

P423「結局、一部の人間だけが責任を取って辞め、ことはうやむやに終わる可能性のある」
というのは、決して小説内だけの話ではないでしょう。
責任を取るどころか、とかげのシッポ切りにもなりかねません。

本書のタイトルは、気付いたら(世間・世界は)真夜中のような状態であった、
ということを意味しているような気がしてなりません。


ラストの真美と京子、そして須田との掛け合いがとても和やかで
物語は締めくくられるところが唯一の救いですね。


目ざめれば、真夜中 (角川文庫)

目ざめれば、真夜中 (角川文庫)

  • 作者: 赤川 次郎
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2019/09/21
  • メディア: 文庫



目ざめれば、真夜中 (角川文庫)

目ざめれば、真夜中 (角川文庫)

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2019/09/21
  • メディア: Kindle版



目ざめれば、真夜中 (幻冬舎文庫)

目ざめれば、真夜中 (幻冬舎文庫)

  • 作者: 赤川 次郎
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2007/04/01
  • メディア: 文庫



目ざめれば、真夜中 (幻冬舎文庫)

目ざめれば、真夜中 (幻冬舎文庫)

  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2007/03/31
  • メディア: Kindle版



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