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日曜は憧れの国 [ミステリ]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

内気な中学二年生・千鶴は、母親の言いつけで四谷の
カルチャーセンターの講座を受けることに。
彼女はその料理教室で、同い年だが性格も学校も違う桃・真紀・公子と出会う。
ところが、教室内で盗難が発生。顛末に納得がいかなかった四人は、真相を推理することに。
多感な少女たちが、カルチャーセンターで遭遇する様々な事件の謎に挑む!
気鋭の著者が贈る校外活動青春ミステリ。

暮志田千鶴・先崎桃・神原真紀・三方公子、性格が全く違う4人が
カルチャーセンターで出会い、そしてちょっと不思議な謎に挑んでいく物語。

四人がそれぞれ主人公の話があり、そこでは主人公=探偵ではなく、
彼女たちのこれまで歩んできた(中学生ながら)生き方を
振り返る物語でもあります。

最終話「いきなりは描けない」では各人がそれぞれのポジションで
謎を解いていく大団円的な内容。

個人的には暮志田千鶴の話が好きです。
単なる窃盗事件ではなく、その先の旗手先生の思惑まで推理を
進ませ、それでいて最後はスッキリ終わるところが好きです。

また彼女がいつのまにか自分の母親のようになっていると気付くことや、
一方で、母親がカルチャーセンターを薦めた理由を実はかなり深い理由が
あるのではと考えてしまった自分がいました(笑

もう少し成長した彼女たちもぜひ観たい。


日曜は憧れの国 (創元推理文庫)

日曜は憧れの国 (創元推理文庫)

  • 作者: 円居 挽
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2016/05/21
  • メディア: 文庫



日曜は憧れの国 (創元推理文庫)

日曜は憧れの国 (創元推理文庫)

  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2016/05/21
  • メディア: Kindle版



【東京創元社無料読本】 〈憧れの国〉へのガイドブック

【東京創元社無料読本】 〈憧れの国〉へのガイドブック

  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2016/05/21
  • メディア: Kindle版



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ディスリスペクトの迎撃 [ミステリ]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

銀座にある文壇バー『ミューズ』の常連客、大御所ミステリー作家のサンゴ先生こと辻堂珊瑚朗。
彼は不思議な事件について鮮やかに推理する、名探偵でもあった!
ライバル作家が持ち込んだ、チェスセットに仕掛けられた謎を解く「チェスセットの暗号」、
サンゴ先生原作のドラマをめぐって起きた、
奇想天外な“誘拐"の解決に乗り出す「ポー・トースターの誘拐」など、五つの事件を収録。
『ミューズ』のボーイ・了の視点から、サンゴ先生の華麗な活躍を描く、
安楽椅子探偵ミステリー第2弾。

待ってました第2弾!
今回は連作短編集。

サンゴ先生の著作がドラマ化されることとなり、
賀茂Pといかにおもしろくしていくかを話し合うサンゴ先生。
しかし、色々なトラブルが発生し・・・

「ファンサイトの挑戦状」では主人公・了が見事に嵌められてしまいます。
(お店や名前もネットに書き込まれる事態に)
でもこの話はかなり現実に近い話で、
今の時代では普通にあり得る話でしょう。
ただし、本作ではサンゴ先生がネットの挑戦に真正面から挑み、
見事な「推理」でネット住民をあっと言わせるところも読み所です。

「トラブルメーカーの出題」は殺人事件が本格的に絡む事件。
撮影現場で起きた事件、犯人はスタッフの中にいるのか?
了とサンゴ先生の推理が良い。

今回は了がかなり目立っていて、かつそれなりに活躍も
しているなあと思いました。
慣れが出てきたのか、かなり積極的に行動してますね。
第3弾はまたしばらく先ですかねえ・・・


ディスリスペクトの迎撃 (創元推理文庫)

ディスリスペクトの迎撃 (創元推理文庫)

  • 作者: 竹内 真
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2016/01/21
  • メディア: 文庫



ディスリスペクトの迎撃 :サンゴ先生シリーズ (創元推理文庫)

ディスリスペクトの迎撃 :サンゴ先生シリーズ (創元推理文庫)

  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2016/01/22
  • メディア: Kindle版



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祟り火の一族 [ミステリ]

あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いします。

さて本年一発目は、昨年読了本から。
まずはAmazonさんの紹介ページから。

殺したはずの女が蘇り、のっぺらぼうが林に立つ。
包帯男に語り聞かせる怪談に興味をもった
劇団員の明爽子は、刑事の浜中と探偵の海老原を巻き込んで、捜査に乗り出した。
舞台となった廃鉱山では、連続殺人が起きていたと判明。解き明かされる真実から、
火に祟られた一族の宿命が浮かび上がる―。精緻に組み立てられた謎と、
驚愕の結末に感嘆必至の長編ミステリー。

十三回忌」以来の名探偵海老原浩一が活躍する物語。
一冊抜かしていたのか・・・

本作も帯でかなり煽ってます。
事件がリアルタイムで起こるのではなく、事件の話を聞き、
一気に解決に持ち込む方式です。
4つだけ聞きたいことがあり、それがわかれば解決と言う海老原は
間違いなく名探偵でしょう。天才型です。

相変わらずこれでもかとトリックを放り込んできているなあという印象。
話が三人称でなく、一人称で語られるのは、あるトリックのためでしょうが、
ここは上手いと感じました。実際読んでいて、おかしくね?と思う箇所、
多かったですし。

お伽話のような怪談が全て合理的に解決できるというのは、見事とは
思うのですが、あまりにその怪談(言い伝え)が多すぎて、少し興ざめしました。
ただ「ヒ素」だけで全てが解決するのか、知識がないのでなんとも言えませんが・・・

それから現代版「犬神家」というのも、言い過ぎ。
というか、確かに狩野家自体や使用人である池ノ井家との因縁などは
それに繋がる所もありますが、物語自体はそんな深くなくて、
やはり、やりすぎなまでに謎を詰め込む方に重点を置いていて、
横溝正史的世界には程遠い気がしますねえ。
バカミスなのかとも思いますが、名探偵の海老原浩一が
十三回忌より良くなってきているので、また文庫化したら
おそらく購入すると思います。


祟り火の一族 (双葉文庫)

祟り火の一族 (双葉文庫)

  • 作者: 小島 正樹
  • 出版社/メーカー: 双葉社
  • 発売日: 2015/12/10
  • メディア: 文庫



祟り火の一族

祟り火の一族

  • 出版社/メーカー: 双葉社
  • 発売日: 2012/10/19
  • メディア: Kindle版



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ぼくの「このミス」2015 [ミステリ]

今年も明日で終わりです。
個人的にはほとんど何もしなかった年でしたねえ・・・
とはいえ、恒例の今年読んだミステリの集大成。

歌野晶午 「密室殺人ゲーム・マニアックス」
密室殺人ゲームシリーズの変化球的作品。
基本骨格を変えず、いかに読者を驚かせるか、
こんな難しいことをやってのけるんですから、本当にすごい。

青崎有吾 「体育館の殺人」
新たなる「館」シリーズとして、今後のシリーズ文庫化も購入確実。
探偵役がなぜ学校に住んでいるのかは明らかにされるのだろうか。

綾辻行人 「奇面館の殺人」
こちらはいよいよラストが見えてきた「館」シリーズ。
改めて本書を読みなおしてみると、いわゆる本格ミステリで
批判の的となる、人物描写(人物の記号化)を
逆に全面に押し出している作品(=登場人物が仮面を付けている)
なんですよね。
仮面を全員が付けていることによって、被害者どころか、容疑者すら
判然としない状況下で、探偵は推理を進めていくのです。
「館」シリーズの、新本格への原点回帰な作品と感じました。

西村京太郎 「発信人は死者」「神話列車殺人事件」
改めて語るまでもないですが、御大の初期作品はどれも素晴らしい。
前者は十津川警部シリーズものなのですが、主人公は別にあり。

西澤保彦 「ぬいぐるみ警部の帰還」
良作かつどれも一筋縄ではいかない短編集。
毎年西澤さんには驚かされる。

麻耶雄嵩 「神様ゲーム」
神様という絶対的存在が探偵役というまさに異色のミステリ。
神様が間違えないとしたら、本作ラストをどう考えるのか?

有栖川有栖 「論理爆弾」
ソラシリーズ第3弾。八つ墓村のオマージュでありながら、
最後の最後で、探偵を全否定したすごい作品(私感)

来年も良いミステリに出会えることを祈念します。


密室殺人ゲーム・マニアックス (講談社文庫)

密室殺人ゲーム・マニアックス (講談社文庫)

  • 作者: 歌野 晶午
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2015/01/15
  • メディア: 文庫




体育館の殺人 (創元推理文庫)

体育館の殺人 (創元推理文庫)

  • 作者: 青崎 有吾
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2015/03/12
  • メディア: 文庫





奇面館の殺人(上) (講談社文庫)

奇面館の殺人(上) (講談社文庫)

  • 作者: 綾辻 行人
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2015/04/15
  • メディア: 文庫



奇面館の殺人(下) (講談社文庫)

奇面館の殺人(下) (講談社文庫)

  • 作者: 綾辻 行人
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2015/04/15
  • メディア: 文庫





発信人は死者 (徳間文庫)

発信人は死者 (徳間文庫)

  • 作者: 西村 京太郎
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2015/04/02
  • メディア: 文庫



神話列車殺人事件〈新装版〉 (徳間文庫)

神話列車殺人事件〈新装版〉 (徳間文庫)

  • 作者: 西村京太郎
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2012/11/02
  • メディア: 文庫




ぬいぐるみ警部の帰還 (創元推理文庫)

ぬいぐるみ警部の帰還 (創元推理文庫)

  • 作者: 西澤 保彦
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2015/05/11
  • メディア: 文庫




神様ゲーム (講談社文庫)

神様ゲーム (講談社文庫)

  • 作者: 麻耶 雄嵩
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2015/07/15
  • メディア: 文庫




論理爆弾 (講談社文庫)

論理爆弾 (講談社文庫)

  • 作者: 有栖川 有栖
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2015/09/15
  • メディア: 文庫




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2016本格ミステリ・ベスト10&このミステリーがすごい!2016年版 [ミステリ]

今年ももうこの2冊が発売される時期になってしまいました。
いつのまにか2015年も終わり、特段何もせずに終了だなあ・・・
代わり映えなく、毎年ですが。

今年のランキングでは久しぶりの葉村シリーズ『さよならの手口』
が双方ともにランクイン。
文庫読みの自分としては、すでに読了した本がランクインしているのは
初めてではないかと思います。

倉知淳さんの『片桐大三郎とXYZの悲劇』は購入確実。
これシリーズ化していくエンドになっているのか、
それともドルリー・レーン4部作と同じなのか気になる所です。

「隠し玉」では近藤史恵さんの女清掃人探偵キリコシリーズが最終作を
来年迎えるようです。これは気になる。

二階堂黎人さんのところでは水乃サトルシリーズはなしか・・・

来年もおもしろいミステリが読めることを期待しましょう。


2016本格ミステリ・ベスト10

2016本格ミステリ・ベスト10

  • 作者: 探偵小説研究会
  • 出版社/メーカー: 原書房
  • 発売日: 2015/12/04
  • メディア: 単行本



このミステリーがすごい! 2016年版

このミステリーがすごい! 2016年版

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2015/12/10
  • メディア: 単行本



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シャーロック・ホームズとヴィクトリア朝の怪人たち 1 [ミステリ]

Amazonさんの紹介ページから。

『千夜一夜物語』の翻訳でおなじみのリチャード・バートン卿、ゴシック小説の有名な怪物…
さまざまな実在の人物、架空のキャラクターとの遭遇が描かれるホームズ物語の最新コレクション。
モダンホラーもあれば、スチームパンクもある。設定はしばしば突飛だが、
どの作品にもホームズの魂が息づいている。編者のジョージ・マンをはじめ、
マーク・ホダー、マグス・L・ハリデイ、キャヴァン・スコットといった
新進気鋭の作家陣が腕を競うホームズ・パスティーシュの新機軸、その前編。

久しぶりの更新。あまり読書がこのところ捗らず。

ホームズパスティーシュの文庫化はなかなか無いのですが、
書店に偶然発見。

「失われた二十一章」や「対フランケンシュタインの怪物」は
聖典を彷彿とさせる展開で、とても面白く読めました。

「クリスマス・ホテルのハドソン夫人」は異色作ですが、
これが一番オススメですね。すでにホームズは引退し、養蜂生活へ。
時折ワトソンの元へ手紙が送られてくるのですが、
この手紙の中に、ある宝石が・・・
ハドソン夫人が主人公、そして最後にあっといわせる展開があり。
また物語はほぼ全てがハドソン夫人からの書簡で進むところも特徴的。

チャレンジャー教授の元に今は居るという衝撃の事実も明らかになります(笑

本作は前編ということで、後編も楽しみです。


シャーロック・ホームズとヴィクトリア朝の怪人たち1 (扶桑社ミステリー マ 34-1)

シャーロック・ホームズとヴィクトリア朝の怪人たち1 (扶桑社ミステリー マ 34-1)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 扶桑社
  • 発売日: 2015/09/02
  • メディア: 文庫



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シュロック・ホームズの冒険 [ミステリ]

早川から復刊していたので購入しました。

本作は事件そのものもおもしろいと思いますが、
やはりシュロック・ホームズとワトニィの会話が一番おもしろい。

それとかなり駄洒落や聖典からのオマージュが見受けられるのも特徴の1つ。
英語が出来るなら、より楽しめる作品なのでしょう。

「シュロック・ホームズ最後の事件」はあまりにも衝撃な作品(笑
宿敵マーティ教授のラストもそうですが、ホームズの最期には驚きます。

続編はないんですかねえ。




シュロック・ホームズの冒険 (ハヤカワ・ミステリ文庫 42-1)

シュロック・ホームズの冒険 (ハヤカワ・ミステリ文庫 42-1)

  • 作者: ロバート L.フィッシュ
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 1977/03
  • メディア: 文庫



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シェルター終末の殺人 [ミステリ]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

目覚めた場所は硬くて冷たい床の上だった―。「私」は自称ミステリ作家の富豪、
火照陽之助の屋敷を取材する。目当ては庭の迷路に隠されたシェルターだったのだが……。
そこで発生する極限状況下の連続密室殺人事件。地の底で待つ謎と恐怖と驚愕の結末とは何か?
「作家三部作」に連なるホラー&ミステリ長編。

個人的には、岡嶋二人「そして扉は閉ざされた」以来の
シェルターを舞台にした作品。

ただし、岡嶋作品と違い、本作ではどうやらシェルター外でも何らかの異常が起きているようで、
本作に出て来る人物たちは、シェルター内で起こる連続密室殺人と、
外で起きた何らかの放射性物質大量放出事件の2つが同時に起こります。

とはいっても、外部で何が起きたのかは全く不明で、物語のほぼ全ては
シェルター内部の連続密室殺人がメイン。

初めてであった人物たち、そして外では核爆発らしきものが起こっていると
いう状況に拘わらず、なぜ次々と殺人が行われるのか?
作者と同姓同名のミステリ作家・三津田信三がその謎を解き明かしていきます。

とここまでは前フリ(笑
本作ラストはこれまで読んできたお話のどんでん返しとなっているので
注意が必要です。
ネタバレになるかもしれませんので、未読の方はご注意を。



僕個人としては、この結末はあり得ない。
確かに「探偵」によって、シェルター内の事件には一応の説明はつきましたが、
実際の所、この「探偵」自体も甚だその存在が怪しい。
密室殺人としては、おもしろいと思いますし、
物語が、「私」が記録したPCの文章である事を(むろん読者は知っているのですが)
そこにトリックが実はあるという。
(星影の発言がいつPCに記録されたのか、という探偵の指摘は慧眼でした。)

また物語序盤に部屋に人形が置いてあるのですが、これこそが
物語の鍵を握るんですねえ。

僕が一番不満なのは、物語の「外」になるのでしょうが、
結局シェルター外では何が起こっていたのかが全く明らかにされていない点。

それと物語の登場人物たちは「外」にも居ないという事。
ここは探偵の推理なので、微妙に信じて良いのかわかりませんが、
少なくとも、この物語が「私」の中で構築されていったものであれば、
直近まで接していた人物像を当てはめるのが妥当な気もします。
(むろんシェルター見学でそれぞれ自己紹介したとも書かれていないので、
「私」が知る事が出来たとも言えないのですが)

あとタイトルですが、
「終末の殺人」よりも「仮面の殺人」の方がより良かったんじゃないだろうか。





シェルター 終末の殺人 (講談社文庫)

シェルター 終末の殺人 (講談社文庫)

  • 作者: 三津田 信三
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2015/01/15
  • メディア: 文庫



シェルター 終末の殺人 (講談社文庫)

シェルター 終末の殺人 (講談社文庫)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2015/01/15
  • メディア: Kindle版



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吹雪の山荘 [ミステリ]

豪華作家陣によるリレーミステリ。
各作家さんのシリーズキャラクターが共演し、
事件を解決していきます。
まずはAmazonさんの紹介ページから。

雪の舞う大晦日。
山荘村にナディア・モガール、刈谷正雄、“私”、若竹七海、法月綸太郎、有栖川有栖らが
各人の思惑を胸にやってきた。やがて新年へと日付が変わるころ、
幽霊山荘を探索していたメンバーは首なし死体を発見する!吹雪で周囲から隔絶された中、
次々と起こる不気味な事件。彼らは真相を暴けるのか?
人気シリーズの名探偵たちの競演で贈る、本格リレーミステリ!

法月綸太郎と矢吹駆の共演が見たかったですが残念。
首なし死体のトリックが実におもしろかったです。
ここまでひねってくるかと思いました。

法月綸太郎の活躍が大半を占める印象が強かったのですが、
改めて読み直すと、若竹七海や<私>の活躍も十分すぎる。

今度は「孤島」を舞台にやってほしいなあ。


吹雪の山荘 (リレーミステリ) (創元推理文庫)

吹雪の山荘 (リレーミステリ) (創元推理文庫)

  • 作者: 笠井潔
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2014/11/28
  • メディア: 文庫



リレーミステリ 吹雪の山荘 (創元推理文庫)

リレーミステリ 吹雪の山荘 (創元推理文庫)

  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2014/11/28
  • メディア: Kindle版



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ぼくの「このミス」2014 [ミステリ]

本年最後は今年読んだミステリのお気に入りを。
順不同です。

西澤保彦「赤い糸の呻き」
ノン・シリーズ短編集で、ここまで良作揃いなのも珍しい。
おススメの「対の住処」だけでなく、表題作やぬいぐるみ警部登場
も嬉しい作品集となっています。


赤い糸の呻き (創元推理文庫)

赤い糸の呻き (創元推理文庫)

  • 作者: 西澤 保彦
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2014/06/21
  • メディア: 文庫



赤い糸の呻き

赤い糸の呻き

  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2014/06/21
  • メディア: Kindle版



綾辻行人「霧越邸殺人事件」
完全改訂版として出された角川文庫版。
綾辻さんが描く「館」はやはり絶品。
ミステリとホラーが見事に融合した作品です。

霧越邸殺人事件<完全改訂版>(上) (角川文庫)

霧越邸殺人事件<完全改訂版>(上) (角川文庫)

  • 作者: 綾辻 行人
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
  • 発売日: 2014/03/25
  • メディア: 文庫



霧越邸殺人事件<完全改訂版>(下) (角川文庫)

霧越邸殺人事件<完全改訂版>(下) (角川文庫)

  • 作者: 綾辻 行人
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
  • 発売日: 2014/03/25
  • メディア: 文庫



霧越邸殺人事件(上)<完全改訂版> (角川文庫)

霧越邸殺人事件(上)<完全改訂版> (角川文庫)

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
  • 発売日: 2014/12/25
  • メディア: Kindle版



霧越邸殺人事件(下)<完全改訂版> (角川文庫)

霧越邸殺人事件(下)<完全改訂版> (角川文庫)

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
  • 発売日: 2014/12/25
  • メディア: Kindle版



若竹七海「さよならの手口」
シリーズものとしては、今年最大の発見。
葉村晶シリーズ、来年ぜひ読みたいです。
そして新シリーズもどうかお願いします!

さよならの手口 (文春文庫)

さよならの手口 (文春文庫)

  • 作者: 若竹 七海
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2014/11/07
  • メディア: 文庫



さよならの手口 (文春文庫)

さよならの手口 (文春文庫)

  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2014/11/10
  • メディア: Kindle版



赤川次郎「仮面舞踏会」(新装版)
大御所赤川先生からは本作を。
大貫警部も捨てがたい!しかしあえてノン・シリーズを。
「もう一人の私」が織りなす5つの物語。
短編集でも単なる短編集でなく、何かの共通項を持たせて
違う意味での連作短編集に仕上げるというこの手腕はさすがとしか
言いようがありません。


仮面舞踏会 新装版 (光文社文庫)

仮面舞踏会 新装版 (光文社文庫)

  • 作者: 赤川 次郎
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2014/03/12
  • メディア: 文庫



平石貴樹「松谷警部と三鷹の石」
どんでん返し、最後の1行、奇想天外・・・
昨今のミステリの帯や書店のポップなどでよく見かけます。
しかし、本格ミステリとはそうした大掛かりなしかけを
施さなくても十分に描けるという、お手本のような作品。


松谷警部と三鷹の石 (創元推理文庫)

松谷警部と三鷹の石 (創元推理文庫)

  • 作者: 平石 貴樹
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2014/07/22
  • メディア: 文庫



愛川晶「ヘルたん‐ヘルパー探偵誕生」
これは最近記事をアップしたので、そちらをご覧ください(笑
続編の文庫化を早く望みます。


ヘルたん - ヘルパー探偵誕生 (中公文庫)

ヘルたん - ヘルパー探偵誕生 (中公文庫)

  • 作者: 愛川 晶
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2014/10/23
  • メディア: 文庫



ヘルたん ヘルパー探偵誕生 中公文庫

ヘルたん ヘルパー探偵誕生 中公文庫

  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2014/10/25
  • メディア: Kindle版



今年も1年ありがとうございました。
また来年もよろしくお願いいたします。


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郷愁という名の密室 [ミステリ]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

矢住鼎は誤って老女を殺め、絶望して雪山で自殺を図った。
だが、彼が目覚めたのは秋たけなわの古い温泉宿の一室だった!
目の前にいたのは高校時代の後輩・風早雫、しかも彼女は少女のままの姿なのだ。
異常な背景の中で宿泊客の男女が刺殺され、つづいて若い女性の死体が
完璧な密室状態の部屋で発見される。鼎の幼少時の記憶の謎、風呂に浮かぶ死体の移動、
凶器の刃物の消失―そして密室はいかにして構築されたのか。
奇妙なこの世界で、鼎と雫の前に殺人者の黒い影が迫る。
そして、深夜0時54分。その時、あらゆる知覚が暗転した。驚くべき長篇変格ミステリ。


牧薩次名義の第2長編。
前作「完全恋愛」では牧自身も登場していましたが、
本作ではなんと「あとがき」のみ。
つまり、完全に作中作の作家さん的なポジション。

同じ日が繰り返されるという、不思議な空間に迷い込んだ主人公。
このあたりはさすが辻先生。
そして、なぜ主人公の後輩・風早雫が高校生のままなのか?
ほとんどのヘルパーとそりが合わない芦谷たねと、なぜ鼎は気に入られているのか?
このあたりの謎が最後に一気に収斂していき、
郷愁というタイトルに見事にマッチしたラストでもあります。

ところで、本作で起きた密室殺人は本当に起きたのか?というところが
最後まで明らかにされず。
どこまでが事実で、どこからが彼の夢、イメージの世界なのか?
おそらくその後も芦谷たねから聞く事も、また鼎から聞く事もできないだけに、
殺人事件が起こったのかどうかすら、わからないままなんですよねえ。
だから悪いというのではなく、このあたりのぼかしもうまいなあと。

それと、タイトルの「密室」。これは主人公・矢住鼎の今回体験した
一連の世界(同じ日が繰り返される・リセット)という密室と
その中で起きた密室殺人の密室、そして雫の17年間という密室、
と、まさに「密室」づくしの作品だったんだろうと推測しました。


郷愁という名の密室 (小学館文庫)

郷愁という名の密室 (小学館文庫)

  • 作者: 牧 薩次
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2014/12/05
  • メディア: 文庫



郷愁という名の密室

郷愁という名の密室

  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2010/10/31
  • メディア: Kindle版



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天使は探偵 スキー探偵大鳥安寿 [ミステリ]

初笠井潔先生!
矢吹駆シリーズでも、天啓シリーズでもなく、今の所
本書のみの刊行であるスキー探偵シリーズです。

まずはAmazonさんの紹介ページから。

乗っていたはずのリフトから消失し、空中浮遊する男。ゲレンデに転がる切断死体。
白銀の世界に起きた怪事件の背後には、カルト教団の影が…。
“事件が起きたときから、その真相が分かっている”という特異能力をもつ、
美人スキー・インストラクター大鳥安寿の推理が冴え、事件は奇跡のように解決する!
本格ミステリ界をリードし続ける著者の新たなる境地!

本書は連作短編集となっており、
主人公大鳥安寿とワトソン役矩巻濫太郎が住む八神村が舞台。
そして物語全般を通して、この八神村に本拠地を置いていた天啓教と安寿
との対決が描かれます。

オススメは「吹雪山荘事件」と「白骨屍体事件」。
前者はダブルトリック。犯人と共犯者の2人がそれぞれトリック
をしかける所がおもしろい。

後者は白骨死体は誰なのか?というシンプルな謎から始まる、
一連の「なりすまし」というべき事件が見事。

ところでワトソン役の矩巻氏も良い味を出しています。
同名の名探偵を主人公とする作品を書くミステリー作家。
(どこかで聞いたような・・・)
そして安寿は実は養子である事が語られるのですが、
それは天啓教と関係しているのかどうか。
解説でも書かれていますが、やはり本作の続編がぜひ読みたい。


天使は探偵: スキー探偵大鳥安寿 (光文社文庫)

天使は探偵: スキー探偵大鳥安寿 (光文社文庫)

  • 作者: 笠井 潔
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2014/11/12
  • メディア: 文庫



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ヘルたん ヘルパー探偵誕生 [ミステリ]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

両親の破産で一家離散となった淳は、浅草の元名探偵・成瀬老人宅の居候となる。
そこへ偶然ヘルパーとして現れたのが、かつて淡い恋心を抱いていたヤンキーの先輩。中本葉月。
淳は葉月のすすめでヘルパーを目指しつつ、成瀬氏の探偵助手も務めることになる。
老人介護と本格推理が見事に融合した浅草人情ミステリー開幕!

老人介護と本格推理が見事に融合した、とありますが、
本書はそんなに甘くない。
また3編が収録されていますが、これは連作短編集です。

主人公・神原淳はいじめが原因で不登校となってしまうも、
とある事によりなんとか高校は卒業。
しかし、両親の破産により一家離散となり、遠縁の田代信策の元で世話になるも、
奥さんが「キレて」しまい、田代さんの紹介で、成瀬老人の元を訪れることに。
そこには、なんと高校時代の先輩で、彼にとって忘れられない出来事を経験
させてくれた、中本葉月先輩が、ヘルパーとして来ていたのだった!

成瀬氏は元々は名探偵として名を馳せていた事が徐々に明らかになりますが、
最初の「バルティアン・ショット-甘い抱擁の謎-」では、長年淳が抱えてきた
謎を見事に解き明かし、未だにその頭脳は衰えていない事を彷彿とさせます。

そして淳も、成瀬老人や葉月先輩との出会い、さらにはひょんな事から、
葉月先輩のヘルパーを携わる事で、ヘルパー2級を取得するという決意を持つ。
そんな時、音信不通の両親から50万の仕送りも届き、
彼は資格取得に邁進していく(「ミラー・ツイン-双子を襲った惨劇-」
そして、第2話「ミラー・ツイン」では、成瀬名探偵からのヒントを元に、
志賀家を襲った惨劇の謎を看破します。

このように書くと、主人公・神原淳の成長物語のような感じを受けますが、
その一面よりも、遙かに大きな問題がこの物語には潜んでいます。

葉月先輩がヘルパーの仕事をなぜしているのか、淳の両親は今どこにいるのか、
なぜ高校時代の担任が上京してきたのか・・・
これらの全ては最終話「シュガー・スポット-愛染明王の涙-」で明らかになります。

が、それ以上に成瀬名探偵には大きな秘密がある事がわかります。
それが「モノローグ」として成瀬氏自身が語る場面。

この「モノローグ」を読むことで、主人公神原淳と成瀬老人の微妙な行き違いが
あるも、まさに探偵と助手として見事なコンビを見せていた関係が、一変するんですよね。
これは実に見事であり、さらにいえばとても悲しい事実を読者は突きつけられます。

ただこの「モノローグ」、最終話最後にだけ挿入されれば、さらにその効果は
大きかったんじゃないかなあと思います。

ただ、最終話で成瀬氏が準備していた対策はこれまたさすがはかつて名探偵として
馳せた名に恥じない活躍でした。これがなければ、淳も葉月もその運命は大きく
変わっていたでしょう。
また最終話では淳の両親が実は心中していた事が明かされ、これまでの「仕送り」は
実は田代氏がしていた事が判明したのも、衝撃だったなあ・・・
本当に最終話では物語が反転するので、このもの悲しくも鮮やかなラストは
印象深い。

葉月先輩はヘルパーを辞め、地元に戻ってしまいます。
しかし今年、本作の続編が発売された事により(!)彼らのその後が再び読める事は
とても楽しみです。

ミステリとしてとても良作であり、その中に人間の老いという避けては通れない
問題をうまく物語に組み込んだ本作は傑作。
今年の「ぼくのこのミス」候補には間違いなく挙がるでしょう(笑



ヘルたん - ヘルパー探偵誕生 (中公文庫)

ヘルたん - ヘルパー探偵誕生 (中公文庫)

  • 作者: 愛川 晶
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2014/10/23
  • メディア: 文庫



ヘルたん ヘルパー探偵誕生 中公文庫

ヘルたん ヘルパー探偵誕生 中公文庫

  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2014/10/25
  • メディア: Kindle版



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2015本格ミステリ・ベスト10&このミステリがすごい!2015年版 [ミステリ]

今年のミステリの総決算。

米澤穂信さん、麻耶雄嵩さんは相変わらず強い。

満願

満願

  • 作者: 米澤 穂信
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2014/03/20
  • メディア: 単行本



さよなら神様

さよなら神様

  • 作者: 麻耶 雄嵩
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2014/08/06
  • メディア: 単行本



さよなら神様

さよなら神様

  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2014/08/10
  • メディア: Kindle版



ただ今年のランキングを見ると、
有栖川さんや法月さん、歌野さん等、ランクイン常連の作家さんの
お名前が見えず、という印象。

私が読んだ中では、本格ミステリにこれがランクイン。

松谷警部と三鷹の石 (創元推理文庫)

松谷警部と三鷹の石 (創元推理文庫)

  • 作者: 平石 貴樹
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2014/07/22
  • メディア: 文庫



隠し玉では綾辻さんの奇面館がそろそろ文庫化らしく、
これは読もうかなと思っています。

倉知さんの猫丸はまだか!?


2015本格ミステリベスト10

2015本格ミステリベスト10

  • 作者: 探偵小説研究会
  • 出版社/メーカー: 原書房
  • 発売日: 2014/12/05
  • メディア: 単行本



このミステリーがすごい! 2015年版

このミステリーがすごい! 2015年版

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2014/12/10
  • メディア: 単行本



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偽りの殺意 [ミステリ]

光文社文庫より出る中町信氏の短編集第2弾。
創元推理もそうですが、中町氏の復刊や新刊は「~の殺意」で統一なんですねえ。

本書には3編が収録。
そのどれもに本庁の津村刑事が登場し、
そしてどれも教育関係の人物が事件に関わってきます。

非常にオーソドックスなアリバイ崩しもの3編。
ひさしぶりに時刻表が出ているミステリを読みました。

オススメは「愛と死の群像」。
犯人側にもあるどんでん返しがある所が良いです。



偽りの殺意 (光文社文庫)

偽りの殺意 (光文社文庫)

  • 作者: 中町 信
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2014/10/09
  • メディア: 文庫



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眼鏡屋は消えた [ミステリ]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

部室で目覚めると、8年間の記憶が失われ高校時代に逆戻り。
どうやら母校で教師をしているらしい。おまけに親友の実綺が高二の文化祭前に亡くなっているなんて!?
二人で『眼鏡屋は消えた』を上演するべく奮闘していたのに。あたしは最も苦手としていた、
イケメンの元同級生・戸川涼介とともに真相を探る決意をしたが…。
ハイテンションな筆致で贈る、第21回鮎川哲也賞受賞作。

自分の記憶が8年間まるまる消えてしまっているという驚愕の事実を
微塵も感じさせない主人公の藤野千絵。
なんとか教師もこなし、親友である竹下実綺の死の真相を追う事に。

一番頼みたくない同級生の戸川涼介、登場がホームズの「唇のねじれた男」を
彷彿とさせました(笑

本作は親友である実綺の死と、彼女が書いた「眼鏡屋が消えた」の中の
モデルとされる橋本ワタルの事故死、この2つの謎を解いていくことになります。

実綺の死については、おそらくはだいたいの人が予想できたのではないかと
思います。
ただ、橋本ワタルの事故死だけで、この長編を引っ張ったのは
ちょっと(良い意味で)意外でした。
次々と謎が出て来る、という訳ではなく、あくまで最初の千絵の調査依頼
から少しもぶれずに淡々と調査を行っていき、少しずつ事実が
明らかになっていく過程は実に緻密でした。
最後は関係者を一堂に集めて推理を披露する涼介もさまになっています(笑

多少強引な所もあったかなと思いますが、良くまとまっていたと思います。
ただし、終わり方を良しとするか、後味悪しとするかは読んだ方次第でしょうね。


眼鏡屋は消えた (創元推理文庫)

眼鏡屋は消えた (創元推理文庫)

  • 作者: 山田 彩人
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2014/09/29
  • メディア: 文庫



眼鏡屋は消えた 第21回鮎川哲也賞受賞作

眼鏡屋は消えた 第21回鮎川哲也賞受賞作

  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2014/09/30
  • メディア: Kindle版



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夜の床屋 [ミステリ]

Amazonさんの紹介ページから。

慣れない山道に迷い、無人駅での一泊を余儀なくされた大学生の佐倉と高瀬。
だが深夜、高瀬は駅前の理髪店に明かりがともっていることに気がつく。
好奇心に駆られた高瀬が、佐倉の制止も聞かず店の扉を開けると…。
第4回ミステリーズ!新人賞受賞作の「夜の床屋」をはじめ、
奇妙な事件に予想外の結末が待ち受ける全7編を収録。
新鋭による不可思議でチャーミングな連作短篇集。

夜中にしかやっていない床屋って、案外便利なんじゃないかと
全く物語とは関係ない事を思ってました(笑

表題作は猫丸先輩シリーズを思わせる一編。
あくまで秋本という「記者」が披露した推理に過ぎず、
エピローグで主人公の佐倉自身も疑問を感じているように、
本当は全く別の話なのかもしれない。
そして僕が猫丸と共通しているとより感じたのは、本書が
連作短編集であるという事。

猫丸デビュー作「日曜の夜は出たくない」も連作短編集でしたし。
エピローグで全ての物語が共通し、そこで大きな謎が明らかに、という流れ。

ただ本書は後半の葡萄荘や『眠り姫』を売る男なんかは
ミステリというより、ファンタジー的な要素が強く、
連作にあえてする必要はなかったのではないかと思います。

「空飛ぶ絨毯」は真相はわかっているが、あえてそれを知りたくない、
わかりたくないため、幻想的な話として話す八木さんが印象に残りました。

話さなければ良いのに話してしまうというのは、そこに後ろめたさが
あるからですよね。誰かに話して、できれば真実を誰かから聞かせてもらいたいという、
矛盾した行動を取ってしまうのがまた人間という(勝手な思いつきです)

連作短編集ですが、「夜の床屋」は読んでも損はしないと思います。
僕もこの表題作に惹かれて購入しましたので(苦笑


夜の床屋 (創元推理文庫)

夜の床屋 (創元推理文庫)

  • 作者: 沢村 浩輔
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2014/06/28
  • メディア: 文庫



夜の床屋

夜の床屋

  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2014/06/28
  • メディア: Kindle版



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人形の部屋 [ミステリ]

最近忙しく、更新がやや滞りです。

本書は裏表紙を見ると「おうちミステリ」とあり、
主人公かつ家主である八駒敬典の八駒家で巻き起こる
ちょっとした騒動を描いた作品集。

個人的には幕間にあたる「銀座のビスマルク」が一番おもしろかったです。
これはまさに日常の謎。

表題作はちょっと冗長なんですよね。
明らかにされる謎と物語の長さが合っていない感じがしました。



人形の部屋 (創元推理文庫)

人形の部屋 (創元推理文庫)

  • 作者: 門井 慶喜
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2014/05/12
  • メディア: 文庫



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奇談蒐集家 [ミステリ]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

“求む奇談!”新聞の片隅に載った募集広告を目にして、
「strawberry hill」を訪れた老若男女が披露する不思議な体験談
―鏡の世界に住まう美しい姫君、パリの街角で出会った若き魔術師、
邪眼の少年と猫とともに、夜の町を巡る冒険…
謎と不思議に満ちた奇談に、蒐集家は無邪気に喜ぶが、
傍で耳を傾ける美貌の助手が口を開くや、奇談は一転、
種も仕掛けもある事件へと姿を変えてしまう。
夜ごと“魔法のお店”で繰り広げられる、安楽椅子探偵奇談。

「奇談蒐集家 恵美酒 一」、彼は世の中にある
ありとあらゆる奇談を集めているという。
新聞広告を目にした「奇談」を持つ者たちが、彼の元を訪れ、
そして自らの「奇談」を話す、というのが物語の流れです。

オススメを挙げるならば、「冬薔薇の館」
館の主への驚きはありませんが、彼の目的がいまいちわからない。
全ては薔薇のためなのか?

最終話「すべては奇談のために」。
「金眼銀眼邪眼」では小学生が主人公でしたが、この小学生に
奇談蒐集家の話をした小学校教師の視点で物語は始まります。
この最終話で物語は一気に反転します。

彼はこれまで物語に登場した主人公たちに、ひょんな事から
次々と「出会い」ますが、ついに最後に恵美酒たちに会う事に。
恵美酒たちの真の目的とは・・・

ところで、最終話まで読むと、この「自分の影に刺された男」、「水色の魔人」の
二編について、再度語られるのですが、
恵美酒とともに話を聞いていた男・氷坂の推理を聞いた主人公
たちのその後が描かれています。
この話がおもしろいところは、この二編は氷坂の推理が正しかった、とは
証明されていない事。
猫丸シリーズではありませんが、探偵役の推理が正しいのかどうか、
物語の中では語られないのです。

氷坂の推理を聞いた主人公たちのその後の行動も、
今後は「奇談」として語られていく、そんな印象を受けました。

続編はなさそうだなあ。


奇談蒐集家

奇談蒐集家

  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2011/11/25
  • メディア: Kindle版



奇談蒐集家 (創元推理文庫)

奇談蒐集家 (創元推理文庫)

  • 作者: 太田 忠司
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2011/11/19
  • メディア: 文庫



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人間の尊厳と八〇〇メートル [ミステリ]

第64回日本推理作家協会賞(短編部門)を受賞した
表題作を含む短編集。

深水さんの著書は初。
表題作がとても気になっていたのです。
とてもミステリと結びつくタイトルではなかったので・・・

まず表題作はラストの印象が強い方も居られると
思いますが、やはりこの理論が一番読み応えというか、
楽しめました。
自分がある種「イカサマ」で勝つために、
これだけの理論を構築するとはなあ。

「特別警戒態勢」
マスメディアを通じての大々的な犯行予告で
大多数の警察官が動員される事に。
犯人の動機を探る物語。
動機なんてものは、案外その辺りにある、身近な
ものなんだろうなと思います。

「蜜月旅行」
表題作の次にオススメ。
泰輔がおもしろすぎる。理沙のキャラクターもとてもユニークですが、
主人公が徐々にある意味壊れていく(笑)過程が楽しめました。

今は久々に長編ミステリを読んでます。
ブログ登場はまだまだ先ですが・・・



人間の尊厳と八〇〇メートル (創元推理文庫)

人間の尊厳と八〇〇メートル (創元推理文庫)

  • 作者: 深水 黎一郎
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2014/02/21
  • メディア: 文庫



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七つの棺 [ミステリ]

倒叙ミステリの第一人者と言っても過言ではないと思います。
その折原一さんのデビュー作はなんと「密室」
カーや横溝正史先生に真正面から挑んだ作品集。

オススメは「脇本陣殺人事件」
もうタイトルでわかるかと思いますが、あれのパロディ。
いやパロディという表現は好ましくなく、かなりおもしろく読みました。
張られたガムテープや死因、それらの説明が
確かに偶然と言われればそれまでかもしれませんが、
そこの謎解きは、いわゆる仕組まれたもの、と真逆の真相だったので
余計におもしろかったです。

「やくざな密室」は密室そのものより、ロケット砲の方がやばいだろうと思う(笑
なぜそこで逮捕しない?(笑

黒星警部は長編でも活躍されているようで、ちょっと読みたくなりました。


七つの棺【新装版】 (密室殺人が多すぎる) (創元推理文庫)

七つの棺【新装版】 (密室殺人が多すぎる) (創元推理文庫)

  • 作者: 折原 一
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2013/03/09
  • メディア: 文庫



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暗闇の殺意 [ミステリ]

創元推理文庫にて刊行(復刊?)が続いている
中町信さんの作品がついに光文社文庫でも登場。

創元推理文庫のは『三幕の殺意』は購入しましたが、それっきり。
今回は短編集という事で購入を決めました。

本書所収の作品はアリバイ、密室、ダイイング・メッセージ
この3つに尽きます。
というかこの3つを見事に描いているので、もうミステリとしては
充分に楽しめる訳です。
その中であえてオススメを挙げるならば、「濁った殺意」と「手を振る女」
前者はダイイング・メッセージものですが、それ以上に物語が深い。
安楽死をテーマにもしているため、現代社会の問題も含んでいます。

後者はトラベルミステリーのアリバイもの。
最初の描写が実に上手くて、そこで騙されてしまいました。

解説を読むと、シリーズ探偵ものも書かれているようで、
ぜひそちらも復刊(刊行)してもらいたいです。


暗闇の殺意 (光文社文庫)

暗闇の殺意 (光文社文庫)

  • 作者: 中町 信
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2014/01/09
  • メディア: 文庫



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叫びと祈り [ミステリ]

ミステリーズ新人賞を受賞し、このミスにもランクインした
大型新人のデビュー作。

海外の動向を分析する雑誌を発行している会社に勤め、
8ヶ国語をあやつる「斉木」が物語りの主人公であり、
連作短編集の要となる人物。

「砂漠を走る船の道」は動機とあるトリックが見事。
また動機という意味では「叫び」も予想だにしない動機です。
オススメは上記2編になりますねえ。

「凍れるルーシー」はオカルトがやや入り、結局どういうことなのか
僕にはわかりませんでした(汗

海外を舞台としていますが、
その情景が浮かんでくるような描写で、物語に引き込まれていきました。
次作は長編みたいですが、文庫化したら購入を考えます。


叫びと祈り (創元推理文庫)

叫びと祈り (創元推理文庫)

  • 作者: 梓崎 優
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2013/11/28
  • メディア: 文庫



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ぼくの「このミス」2013 [ミステリ]

今年の最後に書くことになってしまいました。
さらりと。

大倉崇裕「小鳥を愛した容疑者」
これはとてもおもしろかった。
被害者宅に遺されたペットから、事件の謎を
解明していきます。
動物知識は抜群の薄巡査と捜査一課からいきなり
異動させられた須藤警部補のコンビも抜群。
どうやら続編もあるようで、楽しみです。

西澤保彦「必然という名の偶然」
腕貫さん不在の中で櫃洗市で起きる不可思議事件。
表題作は物事の見る視点を変えると180度中身が変わるというのを
まざまざと見せつけられました。
次はいよいよ腕貫さんが登場か!?

麻耶雄嵩「隻眼の少女」・「貴族探偵」
麻耶さんは2冊。
どちらの作品も本格ミステリですが、どんでん返しも見事。
後者所収の「こうもり」は今年の衝撃作でしたね。

西村京太郎「鬼女面殺人事件」「新装版 名探偵に乾杯」
西村御大の「島」シリーズの中では一番かも。
「幻奇島」も良かったですが、本書の探偵役が良かった。
後者はもうあえて言うまでもありません。
本格ミステリファンであれば、名探偵4部作は必読。

平石貴樹「松谷警部と目黒の雨」
ミステリとしての完成度はかなり高く、
奇抜なトリックやどんでん返し的なものはありませんが、
アリバイ崩しだけで、これだけ読ませるのはすごいとしか言い様がない。

来年もどうぞよろしくお願いいたします。


小鳥を愛した容疑者 (講談社文庫)

小鳥を愛した容疑者 (講談社文庫)

  • 作者: 大倉 崇裕
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2012/11/15
  • メディア: 文庫



必然という名の偶然 (実業之日本社文庫)

必然という名の偶然 (実業之日本社文庫)

  • 作者: 西澤 保彦
  • 出版社/メーカー: 実業之日本社
  • 発売日: 2013/04/05
  • メディア: 文庫



隻眼の少女 (文春文庫)

隻眼の少女 (文春文庫)

  • 作者: 麻耶 雄嵩
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2013/03/08
  • メディア: 文庫



貴族探偵 (集英社文庫)

貴族探偵 (集英社文庫)

  • 作者: 麻耶 雄嵩
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2013/10/18
  • メディア: 文庫



鬼女面殺人事件 〈新装版〉 (徳間文庫)

鬼女面殺人事件 〈新装版〉 (徳間文庫)

  • 作者: 西村 京太郎
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2011/03/04
  • メディア: 文庫



新装版 名探偵に乾杯 (講談社文庫)

新装版 名探偵に乾杯 (講談社文庫)

  • 作者: 西村 京太郎
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2013/08/09
  • メディア: 文庫



松谷警部と目黒の雨 (創元推理文庫)

松谷警部と目黒の雨 (創元推理文庫)

  • 作者: 平石 貴樹
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2013/09/28
  • メディア: 文庫


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金田一少年の事件簿 異人館ホテル殺人事件 [ミステリ]

毎年クリスマスにはそれにちなんだミステリを
紹介してますが、ほとんどそれにちなんだ
ミステリを読んでいないので、ネタ切れ状態・・・
そこで再び変化球ですが、クリスマスに起きた殺人事件、
そして赤髭のサンタクロースなる人物が登場する本作を。

金田一少年の事件簿についてはあえて説明するまでもなく、
それがミステリ界に与えた影響は非常に大きく、
これを読んでいた中高生が、そのまま活字のミステリへシフト
したケースは多いのではないでしょうか。
トリックの例の問題もありましたが、一大ブームを築き上げた
ミステリマンガとして高く評価されるものです。

本作はその中でもレギュラーキャラクターが死亡するという
かなりショッキングな作品です。
本作での犯人と密室トリックは個人的にかなり高く評価。
密室トリックは実に上手いなあと感じました。
ただ、あのホテルのカードキーはなんて不便なんだと(笑

犯人については実はヒントをちりばめながらも、
それを赤髭のサンタクロースの存在、麻薬取引なども絡めつつ、
うまく他へミスリードする描写もあり、良くできていると思います。

最後に思わぬ助っ人参上も燃えました(笑

クリスマスだからこそ楽しめるミステリを今日・明日と堪能してください。


金田一少年の事件簿File(7) (講談社漫画文庫)

金田一少年の事件簿File(7) (講談社漫画文庫)

  • 作者: さとう ふみや
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2004/10/08
  • メディア: 文庫



金田一少年の事件簿 異人館ホテル殺人事件 (プラチナコミックス)

金田一少年の事件簿 異人館ホテル殺人事件 (プラチナコミックス)

  • 作者: さとう ふみや
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2007/03
  • メディア: コミック



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このミステリがすごい!2014年版 [ミステリ]

法月綸太郎先生の『ノックス・マシン』が堂々の1位。
『生首に聞いてみろ』とこのミスでは二度目の1位かあ。
まず文庫化したら購入ですね。

毎年の楽しみは「私の隠し玉」であって、
倉知淳先生の短編集の文庫化がうれしい。
大倉先生の『蜂を愛した容疑者』、これはあのシリーズか!
これもお早い文庫化を望みます。

幻の名作はもっと掘り下げ掘り下げでもおもしろかったと
思います。

しかし『ミステリが読みたい』と順位がこれほど違うとは。
毎年驚きます。


このミステリーがすごい! 2014年版

このミステリーがすごい! 2014年版

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2013/12/09
  • メディア: 単行本



ノックス・マシン

ノックス・マシン

  • 作者: 法月 綸太郎
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2013/03/27
  • メディア: 単行本



ノックス・マシン  電子オリジナル・コンデンス版 (角川書店単行本)

ノックス・マシン 電子オリジナル・コンデンス版 (角川書店単行本)

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Kindle版



教場

教場

  • 作者: 長岡 弘樹
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2013/06/19
  • メディア: 単行本



ブラックライダー

ブラックライダー

  • 作者: 東山 彰良
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2013/09/20
  • メディア: 単行本



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2014本格ミステリ・ベスト10 [ミステリ]

今年もこの季節がやってきました。
「このミス」はもうちょい先の発売ですかね?

堂々の第1位は『貴族探偵対女探偵』
過日前作を読んだばかりだったので、今度のは
どんな仕掛けがされているのか、今から楽しみです。
やはり「こうもり」を超える驚きを見せてほしい。

ベスト10内では島田御大や辻大先生の作品が
ランクインしているのがさすがだなあと感じました。

久しぶりの横浜時代の御手洗&石岡コンビに、
ポテト&スーパーの完結編と、ファンには感涙ものです。

小林泰三さんの『アリス殺し』は気になったので、
たぶん文庫化したら購入予定。
その前に辻先生の『アリスの国の殺人』を読んでからですかね。

梓﨑さんのは先頃文庫化された『叫びと祈り』がまだ未読なので
そちらから。
青崎さんのも『体育館の殺人』が文庫化されてから。

今年中にあとどのくらいミステリが読めるかなあ。


2014本格ミステリ・ベスト10

2014本格ミステリ・ベスト10

  • 作者: 探偵小説研究会
  • 出版社/メーカー: 原書房
  • 発売日: 2013/12/02
  • メディア: 単行本



貴族探偵対女探偵

貴族探偵対女探偵

  • 作者: 麻耶 雄嵩
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2013/10/25
  • メディア: 単行本



水族館の殺人

水族館の殺人

  • 作者: 青崎 有吾
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2013/08/10
  • メディア: 単行本



水族館の殺人

水族館の殺人

  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2013/08/16
  • メディア: Kindle版



リバーサイド・チルドレン (ミステリ・フロンティア)

リバーサイド・チルドレン (ミステリ・フロンティア)

  • 作者: 梓崎 優
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2013/09/11
  • メディア: 単行本



ノックス・マシン

ノックス・マシン

  • 作者: 法月 綸太郎
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2013/03/27
  • メディア: 単行本



ノックス・マシン  電子オリジナル・コンデンス版 (角川書店単行本)

ノックス・マシン 電子オリジナル・コンデンス版 (角川書店単行本)

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Kindle版



犯罪ホロスコープII 三人の女神の問題 (カッパ・ノベルス)

犯罪ホロスコープII 三人の女神の問題 (カッパ・ノベルス)

  • 作者: 法月 綸太郎
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2012/12/15
  • メディア: 新書



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十三回忌 [ミステリ]

自殺とされた資産家夫人の不審死。彼女に呼び寄せられるかのごとく、
法要のたびに少女が殺される。一周忌には生きながら串刺しにされ、
三回忌には首を持ち去られ、七回忌には唇を切り取られていた。
そして迎えた十三回忌、厳戒態勢の中、またもや事件が起きた―。
巧みな謎と鮮やかな結末に驚愕必至の長編ミステリー。

とAmazonさんからの引用です。

犯人の独白と一周忌から十三回忌までの物語の2つで
進行していきます。

スケールの大きなトリックとありますが、
遺体を安置していた館のトリックはなるほど~と思いましたね。
後は偶然の産物なとこもあるので、微妙なところです。

探偵役がテンプレかと思うような描写になっているのがなあ・・・
遺産で暮らしていて、ひょんなことから事件を解決した事があるという
設定なんですよね。
もう少しひねりを加えてほしかった。
登場間もない島田潔をイメージしました。

犯人が誰なのかという問題よりも、これは僕が読めていないだけ
かもしれませんが、動機の部分をもっと追及してほしかったですね。
あと家族構成とかは横溝正史の世界に近いのですが、
そこでのドロドロした人間関係は特に無く、
淡々と事件が起こっていく感じです。

他の作品も文庫化したら読んでみようと一応思ってます。


十三回忌 (双葉文庫)

十三回忌 (双葉文庫)

  • 作者: 小島 正樹
  • 出版社/メーカー: 双葉社
  • 発売日: 2013/07/11
  • メディア: 文庫



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新・新本格もどき [ミステリ]

前作で記憶を取り戻した「吉田」さん。
ところが、前作で記憶を失っていた時の
記憶を失ってしまいます(わかりにくい・笑)

つまり前作活躍時の記憶を取り戻させるために、
今度は看護師の上岡エリさんがもどき、
吉田さんを相棒として事件解決に乗り出します。

「人狼病の恐怖」「万力密室!」などなど、
本格ものをもどくだけでなく、アレンジもされていて
とても楽しめます。

上岡エリのコスプレ・なりきりが一番の読み所に
なりますかねえ(笑


新・新本格もどき (光文社文庫)

新・新本格もどき (光文社文庫)

  • 作者: 霧舎 巧
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2013/04/11
  • メディア: 文庫



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まほろ市の殺人 [ミステリ]

D県の中央部に位置する真幌市。古くからの城下町・宿場町であり、
多くの分野の世界的企業が存在しており、また有名人も多く在住している。

しかしこのまほろ市、なぜか不思議な事件が勝手に集まってくる奇妙な街。
そんな街で起こる4つの事件を4人のミステリ作家が描く物語。

各物語の中で他の物語について触れられていたりと遊び心も盛り込まれていて、
とてもおもしろいです。

我孫子さん原作の「夏に散る花」はもの悲しいストーリー。
主人公の本が爆発的に売れてしまうのも何とも皮肉なものです。

闇雲A子は良い味したキャラですねえ。
彼女だけで短編集を編んでほしい。

どの話も魅力的な謎が含まれていて、どれも読み応えがあります。
みなさんも不思議な街・まほろ市を訪れてみてください。


まほろ市の殺人 (祥伝社文庫)

まほろ市の殺人 (祥伝社文庫)

  • 作者: 有栖川 有栖
  • 出版社/メーカー: 祥伝社
  • 発売日: 2013/02/08
  • メディア: 文庫



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